初めて訪れたのは、どうも数年前のこの季節だったらしい。
たぶん、日付的に、会社の内定式のついでとして、横浜に前泊して訪れたんだと思う。
写真を見るに、よく晴れた日だったようだ。眺め良く、気候もちょうど良さそうだ。たぶんそのときからこの場所を気に入っていたのだろう。
だけどまさかその後、こんなに何度も訪れることになるとは、さすがに思ってもいなかった。
何かの節目が来るごとに、江ノ島を訪れるようになるとは。
片瀬江ノ島駅前の「弁天橋」。"I can fly !!!" の地
数ヶ月後、2016年6月。
ある程度、新生活が落ち着いてから、私は再び江ノ島を訪れた。
一度目は他の場所も観光しがてらだったので、外から見るにとどめていたからだ。今度こそ中まで行ってやろう、と思って。
江ノ島は、小高い山になっている。
人で賑わう商店街を抜け、神社でお参りすると、しばらくは山の外周に沿うように登っていった。
しばらくすると植物園と灯台が見える。ここが本当に好きだ。花の名前はわからずとも
穏やかな気持ちになれるし、灯台の上からの見晴らしは素晴らしい!
ちゃんとしらす丼も頂いて、私は上々の江ノ島デビューを果たした。
天気の良い時限定、灯台の外は特にスリリングで最高だ
うまし!!
同じ年、2016年8月。
さあ夏だ。夏と言えば海だ。
このときはあちこちの海岸へと足を伸ばした記憶がある。
江ノ島の前の片瀬海岸は、海の家と日焼けの若者たちで大混雑だった。
……正直一人だと場違いだなー、と思って、ぷらっと歩いただけ。人で混み合う夏の海岸には、むやみに近づかない。しっかりと覚えた。
でも、耳元に鳴らしていたLampの音楽は、とてもとても良かった。
大にぎわい。
同じ年、2016年10月。
……なんで訪れたんだっけ。会社の長い長い研修に、飽きが来ていた頃だったと思う。
このときは、今まで行っていなかった裏手の方へ向かった。
釣り人が多くて、のんびりした場所だ。なんとなく癒やされる。
そして、初めて夜の景色を見た。ノスタルジックでいい感じだな、と一人、感慨にふける。もう少し、研修頑張るか、と。
夜の湘南には、それからちょくちょく行くことになる。
ほとんどが釣り人。家族連れもちらほらいて微笑ましい。
夜の片瀬海岸側。スマホの限界。
翌年、2017年6月。
自分は、心を壊していた。
その原因は色々複合したものなので、省略させていただくけれど。少しずつ、ほんの少しずつだけど快方へ向かっていたこの時期に、友人が関西から遊びに来て、一緒に江ノ島に行った。
二人だと、また違った楽しみができる。つまり、酒盛りだ。
ずっと気になっていた「江の島ビール」。二つの味を注文して、飲み比べをして。それが日曜日のお昼からなんだから、最高に決まっている。
この頃の記憶は断片的だけど、この出来事はよく覚えている。心の病には、楽しい散歩と楽しい語らいが一番。友人に感謝だ。
サンキュー、友人
同じ年、2016年12月。
段々と、西洋建築と海への憧れが募り始めていた頃。
この日は、上大岡→自由が丘→江ノ島というあまりにも謎すぎる動線を取っていたらしい。
「自由が丘のヴェニス」と呼ばれる場所を見に行き、海で夕焼けが見たいから江ノ島に行った。つまり、色々と不安定だったわけだ。
夕方の湘南はもう何度か見たことがあったけれど、きちんと写真に残しているのはあまり無かった。この日の写真は今見ても本当にきれいで、とても、さびしい雰囲気だ。
そのしばらく後から、毎月のように海外逃亡旅行を始めるようになる。西洋建築と、海がある所ばかりに、行くようになる。
12月には人もまばら
2018年7月。
色々あって、横浜から去ることになった。
7月1日、夏の始まり。自分が真っ先に向かったのは、また江ノ島だった。
海の家はまだ設営中みたいで、半端な状態の海岸だった。色々なことを思いながら、Lampの音楽と共に海岸沿いを歩いて、炭酸飲料を飲んでいた。
それから少し場所を移して、片瀬海岸の西から夕焼けを見ていた。この日は、ぼんやりと富士山が見えた。夏の始まりと、自分の人生の転機を、その景色に重ねていた。
「ソーダ水の想い出」、なんて
節目、節目で、訪れてきた江ノ島。
だけど、実はまだまだ足りていない。洞窟には行けていないし、島の奥の方を散策できていないし、何より「あの鐘」を誰かと鳴らせていない!!!
このときは一人で鳴らした。ギブミー相手!
まあ、そんな俗っぽい話は置いたとしても。
きっと、何度だって訪れたくなる。古くから愛され続けた場所で、景観で。私の迷いを受け止めてくれて、私の愛する場所だから。
次の機会は。あの黒っぽい砂浜を歩き、波打ち際から江ノ島を観るときは。いったいどんな節目に当たるのだろうか。
八つ目の景色は、どんな姿を見せてくれるのだろう。