ジンジャー・エールの生姜率

勢いで始めてしまったブログ。旅行や小説や音楽を語るともっぱらの噂。

オケ聴きに行ってました

 


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11/19(日)、西宮北口の某ホールです(なぜか今年2回目)

 

スマホ見すぎもなーしんどいなーという今日この頃。心落ち着けようクラシックでも久々に聴くかとなったのが昨日。

色々聴いていたらこれまた久々に生で聴きに行きたいなとなり、ちょうど良さそうなプログラム見つけた、明日予定あいてるやん、と急遽行く流れになり(自分の中で)


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クラリネット奏者、ポール・メイエのご尊顔を拝みに行っておりました。

 

ポール・メイエ氏、超有名なフランス人クラリネット奏者でして、高校生のときからCDいっぱい持っててそれはそれは勉強させてもらったものなんですが(なぜか彼のCD比較的安かったというのもあります、ありがてえ)。生演奏は初めてでした。

木管五重奏団「レ・ヴァン・フランセ」の一員とかでも結構日本に来てる方だし、なんなら一時期は東京佼成ウインドオーケストラの指揮もやってて、うわー指揮とソロやってるところ聴きに行きてーとか思ってたんですけどね、なんでだろ。まあ得てしてそういうもんです。結局関東住みの間に東京佼成の演奏会一度も行かなかったわね。

 

ところで今回、イレギュラーによりなかなか面白い事態になりまして、
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メイエ氏、ソロ演奏2曲だけの出番だったはずが、「吹き振り1曲、ソロ1曲、指揮2曲」とかいう超過労プログラムになりました。このプログラムを3日連続。大丈夫??追加のギャラたんまり貰えた??

まあオールフランスプログラムなので、フランス人がやるのは理に適ってるか……。

 

以下は感想です。

クラリネットのための第一狂詩曲(ドビュッシー)

クラリネット管弦楽のための協奏曲(エスケシュ)(ポール・メイエへの献呈曲)

 

メイエ氏のソロ2曲。どっちも正直難しい曲で細かい感想は覚えてないんですよね。ドビュッシーとかクラリネット界では有名な曲なんだけどな。音大入試?オケのオーディション?なんかその辺でよく見る曲名な気がする。これはオケ伴奏版だけどピアノ伴奏版は昔CD持ってたかもなあ、当時はピンと来なかったのかもしれない。

 

まあいいや、メイエ氏の音が人智を超えてました

最初は「あーやっぱり上手え」「わーCDと同じ音だ」みたいなノーマル感想だったんですが、なんか次第に啞然となってきたというか、冷静になると「(私程度基準では)クラリネットをフルに使ってもそんな音出る気がしないぞ?」となり、「は?上手すぎるんやが?」となぜか若干キレ気味になったりもしました(なぜ??)

吸い込まれるようなppとかオケを突き抜けるffとか細かいパッセージがちゃんと一音ずつフレーズ感を伴って聴こえるとか、そういうありふれた感想もあるのですが、なんだろ、あり得ないほど上手かったです。

このレベルのプロの生聴き経験って、もう10年以上前のパスカル・モラゲス(パリ管首席)や、ウィーンのオペラ座で聴いたウィーン国立歌劇場管弦楽団の人々(実質ウィーン・フィルのメンバー)もありますけど、まあ後者はドイツ式のクラリネットだろうからちょっと方向性は違うか、いやまあ比べる意味ゼロなので比べはしないのですが、それぞれの凄さですよねえ。特に自分自身が昔よりは多少耳が肥えたからこそ、トッププロの凄みをより理解できるなあという感じです。

 

エスケシュの献呈曲えげつなかったですねえ。難解さは意外と薄いけど(流れの難解さはあった)幻想性がありつつ最後はめっちゃカッコいいし、普通にオケの難易度が高い、そしてソロの難易度は当然異常に高い。高速パッセージの音の粒で驚愕したのはこの曲です。余すところなくクラリネットという楽器を使い倒していましたしメイエ氏はそれに応えていました。いやいやフラッタータンギング直後に通常音域外のハイトーンそんな綺麗に鳴らせませんて。そこだけで意味がわからない。

ちなみにこの曲「オケのフルートにもフラッターさせてる……?」となり慄きました。フラッターって巻き舌できない人は無理とかの噂で、まあ巻き舌はできるけどフラッターできない私みたいなのもおり、うわーフラッター必要な曲来たらどうしよと思ってたが運良く避けられた人生なのですが、それはどうでもいい、というか普通オケに入る基準で「フラッタータンギングできること」とかないでしょうしね。もし偶然にもメンバー誰もできなかったらどうするんだろ、なんて余計なこと考えてました。

ちなみにこのフルート奏者さんは後半のアルルの女メヌエット」ソロでも素敵な演奏をしていました。

 

アンコールはクラリネット独奏でしっとりした音楽でしたが「口離しても音の響き残ってるぞ?」「秘術か?」みたいな状態になってました。たぶん錯覚です。あるいはホールの残響を上手く使えってやつな。

1つ前の席の子供がわちょわちょしてたり色々ありましたけど、それをお釣りにできるくらいもうこの時点で満足できました。いやー来てよかった。

 

 

アルルの女 第一組曲、第二組曲(ビゼー)

ボレロ(ラヴェル)

 

途中で気付いたんですが、「オケで使われるサックスの例」でよく挙がる2曲ですね。あえて選んだのかな。

あれ、意外と生で聴いたことないなという2曲でもありました。

アルルの女の第一組曲、昔テレビで観たな、N響アワーかしら。まあともあれ第二組曲ファランドールくらいしか覚えてない状態でしたが、聴いてたら途中でああーとなったりしました。メヌエットはさすがにすぐ思い出した。

ちなみにファランドールは個人的「クラシック3大『聴いた感じと楽譜とで拍頭が合わない』曲」です。残り2つは「売られた花嫁」のポルカ(スメタナ)と「セントポール組曲」のジグ(ホルスト)。

要するに舞曲ですね。なんかあるんでしょうね(雑)

 

メイエ氏の指揮、普通に良いですね。安心できる感じというか、結構グイグイ引っ張ってオケとシンクロしてたのが良かったし、あと3拍子の感じとかさすがヨーロッパの人だな〜って思いましたし。あの腕のしなやかな使い方なんかの役に立ちそう(何の?)

 

 

ボレロはパンフの解説に色んなBGMとして使われてる話ありましたけど、私はデジモンを思い出す世代です。関係ないですが光が丘の写真をどうぞ関係ないですが

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ボレロ改めて生で聴くと「うわー怖え」となりますね。あんなに発音も特性も違う色んな楽器が、インテンポで同じメロディをソロ回しってヤバい。よくテンポ保てるなあスネアさん。あとまあ、うん、当然ボロというか、(略)、でも前半のメイエ氏だけで私はもう満足していたので楽しかったです。難しいですよね。イングリッシュホルン上手かったなあ。あと最後スネアドラム破れてて笑った

コントラバスが結構ノッてたのが印象的で、なんかあんな勢いのあるバス部隊って初めて見た気がするというか、好みはわかれそうな気がしますが爽快でなんか良かったです。メイエ氏の指揮に乗ってたのかな。

ああ後はそうだ、スペインの香りがすごくして、単に生演奏の力なのか、オケの力なのか、あるいはこれもメイエ氏の音楽性なのか。

 

 

という訳で久々の生オケはとても良かったです。

クラシック曲の生オケいつ以来だろ。夏に親に誘われてオケ聴きましたがジョン・ウィリアムズ曲の演奏会だったし、後は室内楽吹奏楽は生で聴きに行ったりしてたけど、ちょっと思い出せない。

気分がイマイチなときに美術館かクラシックの演奏会行くと割と整う性質なんですが、今回の演奏会は直前でも取れた&値段も高すぎなくて、ありがてえですねこういうの。別に名の通った楽団でなくとも、関西もプロオケ色々あるし良いホールも結構あるし有効に使っていきたい。小編成仕様だけどいずみホールとか好きなんですよね。

 

スマホを強制的に手放せる時間はこのご時世やはり貴重です。ってこの文章はスマホで打ってるけど。余計な情報を目に入れないって意味では達成してるから!また暇なときにふらりと芸術浴びにいきましょう。おわり