ジンジャー・エールの生姜率

勢いで始めてしまったブログ。旅行や小説や音楽を語るともっぱらの噂。

ぶらり街歩き[6] 中之島周辺:大阪レトロの生きる場所

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日本銀行大阪支店旧館。カッコいい。

  

 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 たぶんこのブログは年が変わろうがほぼ何も変わりません。気軽に受け取ってください。どうぞよしなに。

 よしなに。ってかわいいですよね。よしなに〜

 

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 大阪の街と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。

 道頓堀のグリコやカニ。もしくは通天閣

 他の候補としては、USJ大阪城海遊館……。まあ、楽しそうな街だ、改めて。

 

 だけど、実は大阪は近代建築の宝庫であるということを、ご存知だろうか。

 今回は中之島周辺エリアを舞台に、そんなお話。

 

 ちなみに、自分は近代建築の専門家でもなければ、都市工学や近代史や建築を専攻した人間でもない。むしろ、そういう目線のない、マニアという程でもない一般の愛好家として、ライトな楽しさを提供していこうと思う。 

 

 

 中之島とは、大阪梅田の少し南に位置する、川に囲まれた中洲のことだ。

 川を下れば大阪港まで繋がる。この周辺は、特に江戸期辺りから、水運を活かして大きな発展を遂げた。

 近代になるといわゆる「大大阪時代」の象徴の一つとなった場所だ。そして現代でも、この辺りはビジネス街・官公庁街として君臨している。

 また、美術館や博物館の類も多々あり、文教地区としての顔も併せ持つ。

 

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淀屋橋からの眺め。左手が中之島、右手がオフィス街

 

 大学時代、通学のためにこの付近の駅で乗り換えをしていた。

 たまに途中下車をしてぶらぶらふらつくこともあった。川沿いに高層建築が並び、中洲にはおしゃれな建物が点在する、というのが散歩にうってつけだった。

 とはいえ、写真を撮ったりするようになったのは去年くらいからだけれど。ここのところ、大阪に来る度に毎回寄っている気がする。

 

 

 先述したような歴史の名残として、この周辺エリアにはレトロな建築が多く残されている。大阪でも特に多いのではないだろうか。

 まずは何と言っても大阪市中央公会堂

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説明不要の素晴らしさ

 

 岡田信一郎という方が設計し、実施設計にはあの辰野金吾(東京駅の設計)などが携わっている。

 赤レンガ造りの威風堂々たる姿。重要文化財でもある。

 その一方で、今でも講演会や、毎年秋に開催される「大阪クラシック」の会場として使われている。内部はウィーンの楽友協会(ウィーン・フィルの本拠地)にどことなく似ている。機会があればぜひ訪れていただきたい。

 ちなみに、平常時でも地下は入ることができる。資料館やレストランなどがある。

 

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春頃ならテラス席なんかも

 

 その横にあるのは中之島図書館。これが本当に素晴らしい!

 

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これが図書館という贅沢

 

 ギリシャの神殿のような門構え。中に入ると豪華な階段とドーム状の高い天井。頭部にはガラスが美しく光に映える。

 古くからの図書館であり、これまた重要文化財だ。説明の展示も割としっかりしていて、建物目当てでも訪れるべき場所だ。

 もちろん、現在でも図書館として機能しているので、そちら目的でも。

 

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 中之島の周りはオフィスビルなどで囲まれている。住友グループをはじめとして、この地に縁が深い超一流企業が集結。

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巨大な「住友ビルディング」。三井住友銀行の現役の建物だ

 

 その例の一つが、大同生命

 この場所が、あの朝ドラ「あさが来た」の舞台になった地である。

 旧館は関西各地に名建築を残したヴォーリズによる設計だが、平成前半に既に建て替えられてしまった。しかし、一部に旧館の名残が垣間見られる。

 

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外壁に、旧ビルの最上階に使われていた装飾が残されている

 

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今の建物もなかなか興味深い造り

 

「あさが来た」繋がりで、大阪取引所(旧・大阪証券取引所)も紹介。

 ヒロイン・あさの戦友(?)五代友厚が設立に尽力した場所であり、それを称える像が設置されている。

 

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ビルの下側には昭和設立時の面影を残す

 

 そうそう。先日、この近くにある2つのレトロなキリスト教会を見に行ってみた。

 

 まずは大阪教会。

 大正期に建造。赤レンガに装飾が施され、どこか親しみやすい雰囲気だ。こちらもヴォーリズ設計。

 

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 ちなみに、この近くに偶然こんな場所を見つけた。 

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 あとで調べたら、これも本物のレトロ建築らしい。

 洒落たバーなどが入っていて、なかなか粋なことだ。こういう風に飲食店に転用した場所は他にもいくつかある。

 

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北浜レトロはその代表格か。アフタヌーンティーを楽しめるらしい

 

 もう一つの教会は、浪速教会。

 昭和初期の建造物で、ゴシック風の建物だ。どこかヨーロッパじみている。少なくとも大阪とは誰も思わなさそうだ。

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 この横にも素敵な赤レンガの建物を発見していた。

 オペラ・ドメーヌ高麗橋辰野金吾の建築を、現在はなんと結婚式場として利用しているとのこと。とても素敵だ。

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大通りから外れているが、住民らしき方々が結構行き来していた

 

 ああ、この付近にはぜひとも語るべき場所があった。

 適塾、正式には適々斎塾。

 広義のレトロということで紹介してみる。

 

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高い建物に囲まれ、ぽつんと

 

 適塾は、緒方洪庵という人物が江戸期に開いた蘭学塾。

 彼の名前よりも、もしかしたらその門下生を挙げた方が良いだろうか。

 

 大村益次郎高峰譲吉橋本左内福沢諭吉、などなど。

 

 今挙げた人物、全て高校までの日本史で必ず学ぶレベルの偉人だ。

 さらには、現在の大阪大学の前身とされている。どれほどの超名門だったかが分かると思う。

 現在も資料館として使われている。二回ほど見学したことがあるが、都会の中のオアシス、といった雰囲気でほっと一息。

 

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 いくつか紹介してみたが、これでも正直入門編かもしれない。

 偶然、という言葉を何度か使ったが、本当に偶然見つかったりする。

 というのも、付近にはまだまだ結構な数のレトロ建築が残されている。ネットで調べながら歩くのも良し、適当にぶらついて見つけるのも良し。

 

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ダイビルも以前に偶然見つけた。復元だが、できるだけ昔の材料を使ったとか

 

 今回はどうにも主観が少なめになった。

 何かストーリーを経験した場所という訳でもないので。大阪市内では貴重な、のんびり散策するのに適した場所として、好きなのだ。

(それか学生時代に付き合っていた恋人とクリスマスにデートしたお話でも書けば良いのだろうか?ガラケーを漁ればライトアップの写真くらいは残っていそうなものだが別にそんな古い画質の写真など欲しくも無いだろう?それにそのときの記憶なんかもうほとんど残ってねえよ手の温度の話とかもう過去のままにさせてくれ思い出すのもええわって感じ(ここまで早口))

 

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閑話休題(中之島の風景より)〜

 

 という訳で、散歩にもデートにも歴史のお勉強にもなる街だ。

 この場所を知らなかった方も、オフィス街の印象が強かった方も、ぜひとも一度こういう目線で歩いてみてほしい。よくある大阪観に違う視点が加わるはず。

 近代の息遣いを残しながら発展した、美しい水都、という視点が。

 

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大阪港へ夕陽が沈む

 (参考)

https://gipsymania.exblog.jp/5419135/ 

https://osakarchit.exblog.jp/5574644/ 

https://osaka-info.jp/page/kitahama-retro-building 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%A9%E5%A1%BE 

http://www.osaka-church.net/about-osaka-church.html 

http://www.eonet.ne.jp/~naniwa-church/ 

https://www.nakanoshima-style.com/walk/2658 

https://operadomaine.com/concept/ 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%B3%E3%82%BF%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9

etc....