たとえば、昔からマンホールを見るのが好きでした。
市章が描かれているだけのようなシンプルなのではなく、イラストが付いていたりするやつ。写真にもたまに収めています。
左下に、東京・月島のマンホール。色付きでいい感じ
日本全国どこにでもあって、しかも自治体ごとに特色がある。市の花や、名所が描かれているなど……。特に、旅行で新しい街に来たときに見つけるマンホールを、いつも興味深く楽しんでいました。
そんな趣味を持っているのは、自分くらいなものだと思っていました。
だけどあるとき、新聞記事で「マンホールカード」という物の存在を知り。
衝撃でした。他にもマンホール好きがいることが。
しかもネットで調べたら、……結構いるんですね、マンホール好き。しかも、自分と比べ物にならないレベルの猛者たちが。
本来比べるべき種類のものではないとは理解しています。だけど、幼少期から自分の専売特許だと思っていたことが、他者にダブルスコア(?)以上の点差を付けられていたとすれば……少し、ガッカリもするでしょう。
大人になるというのは、そういうこと。
成長と共に広がる世界に目を広げると、自分が井の中の蛙だったと気付かされる。
……だけど同時に、人はいつでもオリジナルを求めてしまう生き物です。
特に先日、「マニアフェスタ」というイベントを覗いてから、少し感化された節があります。
あるとき、自分の街歩きの写真を見返して、ふと気付いたことがありました。
「救命浮輪、割とよく写してるような?」
救命浮輪というのは、よく防波堤や川の柵や船にあるオレンジ色の浮き輪……って説明必要かこれ
さっきの写真の、
こいつ
それに気付いた自分は、すぐさま調べてみました。
「浮き輪写真家」「救命浮き輪 写真」……無いな、それっぽいのは。
Twitterで検索しても、船好きがその一環として写真を撮っていることはあっても、専門という感じでは無さそう。
その代わりにこんなものは見つけたけれど。ちょっとよくわからない。
……これ、いけるんじゃないか?「ウキコレ」。
ウキコレっていう響きもなんかいいじゃないですか。ウキウキしている感じで。今めっちゃ適当に喋ってますすみません
「そんな、気付いたら写しているような物だっけ?」と思われるかもしれません。
という訳で、確認のためご覧ください。
横浜、大さん橋付近。赤レンガのオシャレシティとの対比。右奥にも見えているのがミソ。
横浜の海辺よりもう一枚。何か貼ってました。☆☆
東京、月島。寝そべっているパターンもあるんですね。冒頭の浮き輪といい、月島(中央区?)の物は他より平らなフォルム。
場所は一気に飛んで、函館、元青函連絡船「摩周丸」。年季を感じます。
こちらはシンガポール、セントーサ島。グローバルになってきました。
そして香港より。ほら、下の方!(※かなり目ざとくなってます)
という訳で手持ちの写真の一部を晒してみましたが、よくこんなにあったなあ……と。
一応、撮っていた理由として。
特に、海のような奥に広がる景色を撮る場合、近くに別の被写体がある方が「いい雰囲気」で写せるんですよね。遠近法的な何かですかね?
そこで、柵に付いている浮き輪というのは、サイズ的にも、位置的にもちょうどいいんですよ。特にオレンジ色だと青い海や空との対比にもなる。
だけど、それ以上に。
感じませんか?そこはかとない哀愁を。
あの一大観光地・江ノ島の浮き輪。ああ塩害。……持ち帰る人いるの……?
救命浮輪は、その宿命として、24時間年中無休で外の風や雨に吹きっさらしになっています。それに海なんて潮風なので尚更です。当然、色褪せ、はげていきます。元々、出荷されたときは、お陽さまみたいにぴかぴかのオレンジ色だっただろうに……
そうして風を浴び続けている姿が、塗装の取れた姿が、猛烈に淋しさを感じさせるのです。
そして目にする度についつい撮っていたらしく、こんな一記事書けるくらいの量に……。
もし日本の他のどこかにプロ浮き輪写真家がいらっしゃれば、こんなに騒いで申し訳ないような気もしています(別に浮き輪写真で食っていこうとは毛頭思っていないので……)。
でも、とりあえず「浮き輪写真も撮る愛好家」くらいは名乗っていい、のかもしれません。……本来はカッコよく先駆者と言いたいけれど、確定はしていないのでグッと我慢。
何より、せっかく見つけたオリジナリティです。まだまだ枚数も少ないし駆け出しですが……。これからも、港を歩くとき、あるいは川沿いを散歩するとき、見かけたら撮っていこうかなと思います。
それに、結構撮り逃しもありそうです。そういう観点でまたあちこちを歩き直すのも、少し、楽しみだったりしています。
……いつか気付いたときには、浮き輪写真家に、なっているのかもしれない?
オマケ:白い浮き輪もありました。……意外と奥が深いかも、この世界?