ジンジャー・エールの生姜率

勢いで始めてしまったブログ。旅行や小説や音楽を語るともっぱらの噂。

ぶらり街歩き[4] お台場:年中無休の遊園地

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お台場のランドマーク。

 

 お台場という場所をご存知だろうか?

 

 

 ……と、知らない人を意識して書き出したけど。よく考えたら、12年前、大阪で小学生をしていた自分でも知っていたのだから、まあ今さらすぎるかと気付いた。

 

 

 お台場は、東京湾岸にある埋立地の1つ。

 自分が初めて訪れたのは、12年前、家族旅行だった。

 時はフジテレビの全盛期。笑う犬とか、デジモンとか、コンテンツもたくさん。テレビ局の見学がとにかく楽しかった記憶しかない。

 

 お台場は、フィクションにもしばしば出てくる場所だ。

 例えばさっき書いたデジモン。初代デジモンの後半でも、お台場が登場した記憶がある。

 

 あと、「お台場は元々、江戸末期の異国船対策のために東京湾岸に作られた砲台。だから台場」……という豆知識があるけれど、

 これも自分は、敬愛する作家・中村航さんの小説で初めて知った。

www.kadokawa.co.jp

 

「めぐは攘夷派なんだね、頼もしいね」

「ん、どうして」

「お台場の台は、砲台の台」

(中略)

「へえー。じゃあ一緒に、黒船を倒しに行こうよ」

「そうか。二人で小舟に乗って、こっそり斬り込もう」

「私はペリーを倒す」

「わかった。おれはめぐを守るよ」

中村航「僕の好きな人が、よく眠れますように」より】

 

 カップルが戯れるにも良い場所。

 

 そう、お台場は年中無休の楽しみに満ちた場所。いつでも、誰でも、お金を払わずとも楽しめる、テーマパーク。

 そんなお台場は、1人で歩いたって、めっぽう楽しい。

 

 

 まずは、ゆりかもめというアトラクション(!)からスタート。

 新橋駅から、それ相応のお金はかかるけど、ぐるんぐるんと回り、海の上を走り、遠くにカラフルな建物が見えてくる。このときの心の浮き立ち方といったら。

 

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ゆりかもめのループの一部。対岸の芝浦ふ頭から。

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手前が「台場」、奥が「お台場」。

 

 テラス席の並ぶデックス東京ビーチや、色とりどりのアクアシティの建物は、まるで海外にいるかのような、あるいは遊園地にいるかのような気分にさせる。

 ショッピングを楽しむのもよし、眺望を楽しむのもよし。最近訪日外国人がやたら写真を撮っている、自由の女神を見に行くのも良し。

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自由の女神とレインボーブリッジ。 ある意味「本物の」自由の女神です。

 

 少し海に降りてみよう。

 防砂なのか防風なのか知らないけれど、松の木を植えて「江戸」らしさを感じさせていて、遊び心を感じる。

 そして目の前に現れるビーチ。

 人工の砂浜が弧を描いて広がり、たくさんの人が憩いのひとときを過ごしている。

 さすがに泳ぐには厳しいけれど、近くからは遊覧船も出ているし、夏になるとビーチバレーを行っていたりして、充分エンタメ的にも楽しめる場所だ。

 

 そして、この場所からの夕景は、ぜひ一度は生で観ていただきたい。

  夕陽と、対岸の一千万都市・東京と、レインボーブリッジと、オレンジ色に揺れる水面。初めて見たときから、自分の中の東京観が少し変わってしまったくらいの絶景だ。

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鳥たちだって様になる。

 

 陸の方に入ってみよう。

 ちょうど中心辺りのエリアへ。プロムナード、出会い橋、夢の大橋など、この辺りはとにかくオシャレ感や明るさを前面に押し出したネーミングが並ぶ。

 ……正直、やりすぎ?とも思わなくもないけど、一瞬でコンセプトが分かるという意味では思い切っていて良いのかもしれない。

 

 ここで出色だと思ったネーミングが、商業施設「ダイバーシティ」。

 中学か高校か、"Diversity"という英語を習ったとき、きっと多くの方が「"Diver City"……深海都市?」と勘違いした経験があるだろう。……え?自分だけ?じゃないですよね???

 "Diversity"=多様性。人や店の多様さ。

 "Diver City"=海の街というイメージ。

 そして何より、ここは"台場シティ"。

 トリプルミーニングとは恐れ入った。きっと作者は思いついた瞬間飛び上がって喜んだことだろう。

ダイバーシティの前では、実寸大のユニコーンガンダムが出迎えてくれる。

 

 天気が悪ければ、ヴィーナスフォートで楽しむのもいいかもしれない。

 昭和レトロを再現したエリアに外車が並ぶエリア。天井の空の絵が移り変わっていくエリア。高級店で買い物なんてせずとも、見ているだけで楽しい。後者はちょっとマカオのカジノ「ヴェネチアン」みたい。なんちゃってカジノも体験できる。

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自動車展示場 MEGA WEB。レトロ感が良い。

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いつの間にか空の色が移り変わって慌てて撮影したの図。ヨーロッパ風の店構えもいい感じ。

 

 人混みに疲れたら静かなエリアへ。

 船の科学館の近辺は、海沿いに遊歩道があったりして、のんびり散歩するのにちょうど良い。

 この付近、なぜかモデルさんの撮影によく出くわす。人通りが少なく景色が良いからだろうか。こういう風に撮っているんだ、と初めて見たときはなかなか興味深かった。

 

 そうだ。先日、試しに楽器の練習をしていたら、警備員のおじさんが横を通りかかったことがあって。

「ヤバい、怒られるかな?」と身構えていたら、彼はニコッと笑ってどこかへ去っていった。

 いい場所だ。

船の科学館のシンボルは、元・南極観測船の「宗谷」。良い空と共に撮れてちょっと嬉しい。

 

 他にも観覧車や、大江戸温泉物語や、土日の誰もいないテレコムセンター付近の妙なやみつき具合や(笑)、色々見どころはある。

 今、脳内でマッピングしながら書いているけれど、改めて、お台場は本当にほとんど隙のないエリアだなと感じる。

 そして、繰り返しになるけれど、これが基本的にタダで楽しめる。人は確かに多いけれど、エリア自体が広々とした作りになっているから、のんびり、かつ楽しみながら散歩するのにこれほど適した場所は、東京では他にそうないと思う。

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土日のテレコムセンター付近のゴーストタウン感。好きな人にはたまらないかも。…はい好きです。

 

 

 まるで巨大遊園地の街、お台場。

 楽しいアトラクションの数々と、海を活かした景観と。道行く人々の表情は、みな楽しそうだったり、穏やかだったり。

 こういう場所が大好きだ。どんな気分のときに訪れても、きっと心の安息を約束してくれるから。

 

 

 海に囲まれた多様性の街へ、さあ、また潜りに行こう。

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ぶらり街歩き[3] 私はまだ、恵比寿を知らない

圧巻。惚れ惚れ。

 

 たまには行ったばかりの場所のお話。今回は、恵比寿について。

 まあ、正直に言えば、ただ写真を色々撮ったからついでに記事にするだけです。

 見て!いいから見て!

 最近なぜか時々画質が落ちるけど見て!()

 

 

 少し前に引っ越しがあったのだけれど、その前にとある方から言われたことがある。

「どうせならイイとこ住んでみなよ、例えば恵比寿みたいな」

 ……誤解なきよう言っておきますが、自分はお金持ちではありません。

 若いときこそイイ所に住む――それは自分も賛成だ。自由にお金が使える&自由に行動できるうちに、という観点で。

 ただ、お金とか部屋の条件とか、そういうことと関係なしに、「あっそうか、恵比寿って普通は住みたいと思う街なんだな」とそのときの自分は思った。

 

 馴染みのない方向けに、恵比寿という街を少し解説。

 山手線の渋谷〜目黒の間、あるいは日比谷線の中目黒〜六本木(厳密には広尾だけど)の間、と言えば、「イケイケオシャレ金持ちエリア」というイメージが掴めると思う。

 そしてなんと、「住みたい街ランキング」では2年連続で2位を誇っている。

suumo.jp

 

 グルメあり、商業施設あり、美術館あり、イベントあり。

 ほんの少し歩いただけでも分かる。若さとオトナさが程よく混じった街ということが。

 そしてたぶん、自分には、オトナすぎるということを。

 

 

 

 恵比寿を訪れるのは、実はまだ2回目だ。

 前回は春の頃、色々と先行きを迷っていた人生のターニング・ポイントの頃。

 なんでわざわざ来たのかは、だから正直あまり覚えていないのだけれど、単にTwitterのトレンドで見たからとか、それだけの理由だったかもしれない。

 

 訪れた恵比寿は、曇り空に包まれていた。

 夜になる少し手前のこと。何があるかも知らず、目的もなく来た自分は、ただ写真を撮ることしかできなかった。

 写真を撮って、そそくさと駅への連絡通路に退散した。

 平日・曇天のガーデンプレイスは静かだし、駅前は雑然とした印象だし、まさか住むような街とは思わなかった(当時は住みたい街ランキングなんて知らなかった)。

 

https://www.instagram.com/p/BiEyCpIh7ro/

ガーデン・プレイス#街歩き #buildings #恵比寿ガーデンプレイス #tokyo

 

 当時は4ヶ月間毎日(!)更新していたInstagram。閉塞感のある日々の中、何かを変えるきっかけを得たくて、続けることで何かを見出そうとしていた。

 この写真が、ここのフランス料理店の方に見つけられて、"Merci!"とコメントを頂いてしまった。自分は嬉しくて、覚えたてのフランス語を返した。

 

 この翌週、自分は憧れだったパリに一人で出かけ、自分の人生の道筋を決断した。

 Instagramを少し置いて、自分の原点に向き合うことを。

 

 

 ……恵比寿の話。

 冒頭の住みたい街云々はその後にあったこと。だから驚いたのだ。そんなに住みたい人が続出する魅力があるのか、と。

 それには、やっぱり曇り空だけ見るのはフェアじゃない。一度は、快晴の空の下で見てみようじゃないか。

 という訳で、今日。

 

 

 うん、いい場所。

 

 恵比寿のランドマーク、恵比寿ガーデンプレイス

 こういう洒落た建築を見るのは大好きだ。素敵な建物と青空が合わされば、いつだってついつい弾んだ気持ちになってしまう。

 

 今日は偶然にも、恵比寿文化祭というイベントが行われていた。

 ライブや、地域の子供の出し物や、青空マーケットのような物も。そして、皆一様に、服装も肌の見目も整っている。

 今日も前回も、偶然まともな服装だったからいいけれど、普段の服装をおざなりにしがちな自分なら浮く可能性が高い。

 ここは、ハレの街なのだ。

 

 それと。実は今回は、路地裏を通ってガーデンプレイスまで向かっていた。

 路地裏は、案の定と言うか、住宅街の中におしゃれなバーや面白い店が混じっていた。

どんな値段のそばが出るのだろうか……

 

 曇りの街を少し見て、青空の街を少し見た。

 そしてこの街は、きっと夜が一番面白いのだろうな、と確認できた。

 だって、皆がきちんとめかしている街だ。路地裏に洒落た店がたくさんある街だ。

 そこにあるのは猥雑とした面白さではなく、オトナの駆け引き的な面白さ。

 

 好きな人はいるはずだ。でも、そんなに多くの人がこの街を住居として憧れるのがピンと来ていない。

 自分は……そういうものに触れるのは好きだけれど、残念ながら得意とは言えない。

 それでも一日二日ならまあ体験としていいだろうけど、住むとなると、うーむ……

 疲れないんでしょうか、などと思う時点で、たぶん向いていない証拠だ。

 

 

 と、見てもいない夜のことをあれこれ憶測で語ってしまった。

 それに夜に限らず、まだ街の数%しか見ていない。何かを決めるにはサンプル不足だ。

 

 

 昼の素敵なランドマークの姿は、確かめることができた。宿題は一つ完了。

 次は、いずれ、この街に広がる夜をきちんと見てみようと思う。……住みたい街とまではさすがにならない気もするけど、その意味を理解しに行こう。

 精一杯のオシャレをして、街に溶けにいくのだ。

 私はまだ、恵比寿を知らない。

 

ぶらり街歩き[2] 逗子、あこがれの海



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リビエラ逗子マリーナの裏側から。オシャレな施設の裏側は至ってほのぼの

 


前回の上大岡の記事でも少し触れたけれど、かつて私は逗子という街に憧れていた。いや、今でも?

 

神奈川県の南東。いわゆる湘南エリアに属している。具体的には鎌倉の東側、三浦半島エリアとの境界に位置する。

隣の葉山町と合わせて「逗子・葉山」で一括りにされることも多い(葉山はまた別途触れるかも)。

穏やかで、でも程々に便利で、そして太平洋が傍にある場所だ。(※厳密には相模湾)

 

私の憧れ。何はともあれ海だ。

残念ながらサーファーでもガングロギャルでも無いけれど、ただただ、海沿いを歩くのが好きだ。

場所柄、鎌倉の七里ヶ浜や、江ノ島近郊の片瀬海岸に比べて、比較的人が少ない。春や秋なんかにぶらりと人の少ない海岸を行く、それが本当に心癒されることだった。

夜になると、満天とはいかないまでも、それなりに星を見ることもできる。特に南向きには遮るものが無く、ただただ波の音と共に佇むことができる。

まあ、夏は、昼も夜も当然人が多いんだけど……。



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石原慎太郎は逗子ゆかりの人物。ちなみに訪れたのは夏真っ盛り、夜でも若者たちは賑やかだった。

 

 

そして、海が街から近いという利点。

JR、京急、どちらからでも難なく歩ける距離。仕事帰りにそのまま海、あるいは通勤前に、なんてことも、たぶん可能だ。

  

その街も、最低限のものは揃っている。

スーパー、100均、本屋、チェーンの飲食店。役所だって駅から近い。それに近年はちょっと洒落たお店も増えている。休日のランチやディナーも色々と楽しめることだろう。

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逗子市役所。この日は隣の亀岡八幡宮でお祭りだった。


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街角で見かけたオシャレなお店。Think Globally, Act Locally

 

ここからは、地元民じゃないとなかなか味わえないだろうな、というエリア。

(……つまり、1日で見て回る分量では無いな、ということ。行ったときはめちゃくちゃ疲れた)

 

まずは、リビエラ逗子マリーナというリゾートチックな施設。


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さながら海岸のリゾートのような空間。

クルージングも、結婚式もできる。

そんな物に用はない自分のような一般庶民も、歩いているだけで束の間の高級リゾート感になんとなくウキウキする。


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こんなフォトジェニックな光景も見られる。 というより、写真を撮るために訪れたような方が何人もいた

 

その近くには材木座海岸

公共交通機関はバスしかなく、穴場としてよく紹介される海岸だ(それは穴場なのか、という問いは……まあ、うん)。


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向こう岸が材木座海岸。結構人がいるような。 

 

 

そして、披露山公園

この展望台が醸し出す、ノスタルジーと言ったら。

 


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ただ、この周辺のツッコミどころがどうしても気になってしまうのは悪い性……。


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なぜ猿が……??

 

もし、住むとしたら。街は先述の通り最低限整っているし、通勤だって大丈夫。

湘南地域の海沿いの街では、実は屈指の良アクセスを誇る。

 

JRは湘南新宿ライン直通、品川まで1時間以内。始発も運行しているから座れる可能性もある。大船や横浜で乗り換えれば、行き先はさらに広まる。

ちなみに、隣駅は鎌倉だ。「鎌倉が定期圏内」というワードだけで、なぜか強烈に痺れてしまった1年前の自分。

まあ実際、タダで鎌倉観光に行けるのは凄い。

 

またJRが止まっても、京急逗子線がある。こちらもなんと始発駅、急行も出ている。快速は金沢八景金沢文庫、上大岡で乗り換えればOK。

休日でも、金沢八景(シーサイドライン)〜金沢文庫という、これまた自分の好きなエリアが近くて魅力だと思っていた。

 

敢えて難を上げるとすれば、山と海の間の街なので、災害時が不安なこと。そしてあまり住む場所が無いこと。

前者は湘南の宿命みたいなものだからともかく、後者は本当に惜しい。

実際、賃貸を探したこともあるけれど、なかなかいい条件を見つけるのは難しく思えた。

そして安いと思ったら、山の中、というよくあるパターン。

海の近くの一軒家、いいなあ……。でも災害時には……うーむ……。

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ちなみに、さっきの披露山公園の横は高級住宅街。山の上でも、さすがにここは当然地価もとんでもないのだろう。外車で外界と行き来するのだろう。

 

と、取らぬ狸の皮算用をしているうちに、諸事情で住むタイミングも逃してしまった。

だけどあの海が近くにある生活というのは、本当に素敵だろうな、と思う。

いずれまた、移住計画を立てるかもしれないけれど。

まあ、こうして憧れつつ、たまに遊びに行くくらいが、ちょうどいいのかもしれない。

 

賑やかな夏は過ぎたから、またそのうち、秋の波の音に癒やされに行こう。


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ライブ感想:Lamp Asia Tour 2018 (in 東京)

 昨日、私の大好きなバンド、Lampのライブに行ってまいりました。

 初めてのライブ参加…と言いたいけれど渋谷HMV(2018/06/12)のミニライブは行ったから1.5回目…?まあ、大きなライブは初めてです。わくわく。

 

 会場は鶯谷東京キネマ倶楽部

www.kinema.jp 

 

 鶯谷駅で降りるのは初めてだったんですが、ヤバい街とだけは聞いていまして。

 で、地上に出て0分で、綺麗なお姉さんがおじさんに「バイバ〜イ♡」と手を振ってるのを見て「ああ、ここヤベえわ」と。

 

 それはともかく会場へ。


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 オッシャレ〜

 

 後で知ったのですが、元キャバレーらしいですね、なるほど。

 今回は立ち見ですが、ウェブサイトで見たようにさぞ綺麗なのでは……!


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 まあそうですよね(上階は関係者席でした)

 とはいえ舞台上の装飾とか、いかにも「ショー」という感じで期待も高まります。

 

 と思っていたら、Lampのメンバー、ちゃんと上から出てきてくれてありがとうございます!!(笑)

 

 セトリは染谷さんご本人が公開していらっしゃるので引用。

  

 ということで、ここからは超絶個人的な感想。

 

 

・突然の「渚アラモード」で涙腺決壊寸前

 

 いや、最新アルバムの曲が来るのはそうですし、「さち子」のような(比較的)メジャー曲が来るのはまだ予想できるんですよ。

 まさかでした。大好きな曲の一つであり、なぜかいつも聴く度に無性に胸がきゅううっと締め付けられる曲なので、こう唐突に来られるとね、泣きますよね、うん。まだ4曲目だからなんとか耐えましたが。

 あのキラキラ感と甘さと愛しさの混ざりはライブでも最高ですねえ……

 

 

・「恋は月の蔭に」の雰囲気が最高

 

 永井さんも触れていましたが、会場の雰囲気にバッチリ。

 恥ずかしながら未聴の曲だったのですが、この会場でこういうアダルトな曲を持ってくるとはさすが……と。

 スポットライトが本当に似合うし、ちゃんと後ろの幕も妖しい紫色になっていたし、もう、あの雰囲気で2時間ほどダンスしたいくらいでした。そんなダンスの経験無いですけど()

 

 

・「八月の詩情」で永井さんのキーボードに驚き

 

 へ……弾くんですか……!?と。しかも弾き語り。カッコイイ。

 CDクレジット見たら書いてるのかもしれませんが、そこまであまり見ないタイプなので……。その前のMC(「演奏前に曲名言ったら永井怒るんですよ」→「では八月の詩情」「僕怒ってますよ?(苦笑)」)と合わせて印象的でした。

 

 

・「ソーダ水の想い出」

 

 

 

 ライブ後のサイン会でご本人にもとても良かったとお伝えしましたが、

 

 この曲の香保里さん、神

 

 ほんと何かの特典音源として欲しいです

 

 

・「青い海岸線から」→「君が泣くなら」の繋ぎのとんでもないカッコ良さ

 

 まず「青い海岸線から」の時点で相当気持ちが盛り上がって、からの、意味深なラテン風キーボードソロ。そこからいろんな楽器を乗せてアドリブ的に進んでいくのですが、ここで数分間、バックバンド中心のインストで進める斬新さ……!

「でもこれ何の曲?」と思っていたら、次第に浮かび上がってくる聞き馴染みのある間奏。ぴくっとなったら、そのまま自然な流れで「君が泣くなら」へ。

 これまた大好きな曲ということもあり、感謝感激です。どれくらい好きかというと、「かーすっかっにーたっだっよーうー」って歌いながら春は通勤しているくらい(不審者)

 イントロのフルートが聞けたのも良かったです〜あのフルートがお気に入りな元吹奏楽民なので。

 

 

・ラストは「1998」

 

 ああ、「東京に さよならを」。

 ライブツアーの最後でもありますし。

 平成最後の夏が終わるんだな……なんてことも胸を去来していました。

 

 

・アンコールのラストに「空想夜間飛行」

 

 これまた大好きな曲なので、あーーありがとーーという気持ちで溢れかえる。

 Twitterでも言いましたが、この曲を題材に小説を書いたこともあるくらいなので。そりゃもう本当に嬉しいですよ。(良かったらどうぞ→) 

estar.jp 

 

 しかも、今回『「夜会にて」で始まり「空想夜間飛行」で終わった』んですが、この日のライブ直前、その逆に聴きながら来ていたという偶然……!Lampさんエスパーですか???

 

 他にも「香保里さん何個楽器触ってるの」とか「ベースの人楽しそう」とか「トークのゆるゆるさと曲の精緻さのギャップが」とか色々ありましたが、いや良かったです、本当に良かった。ライブって実はあまり行かない人間なんですが、凄く良かった。

 その後、鶯谷〜上野間を思わず歩いてしまうほど良かった(謎)

 

 気になっていたコードブックも購入できましたし、サインもいただけて、勉強しようと思います(「街は雨降り」をはじめコード進行の素晴らしさよ……!)

 

 これからは秋が深まっていき、涼しい時期に入りますが、Lampの曲があれば大丈夫。どの季節でも我々の強い味方です。

 せっかくの秋だから、そろそろ「A都市の秋」も聴き始めましょうかね。

 また、何度でもLampのファンになってしまいそうです。

 

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ぶらり街歩き[1] さよなら、上大岡


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ビルとお空と京急と。いちばん好きだった景色。

 

その1からいきなり「さよなら」だなんて、自分でもどうかと思うけれど。

街歩きが趣味の自分が、いつかブログに書くなら、この場所からにしようと決めていた。

 

 

少し前、自分は上大岡という街から去った。

就職してすぐに、会社の指示で住み始め、2年半ほどを過ごしてきた土地だ。

 

上大岡は横浜市港南区にある、横浜の副都心的な扱いの場所。

みなとみらいには電車で10分、しかも港南区という名前で、副都心。洒落た海沿いの街かと思いきや、海との間には、あまりにもあまりにも高い丘がそびえ立つ。

 

 

横浜市は、実は坂が多い都市だ。

しかしその中でも、ここの丘は本当に傾斜が激しい。

駅の東側には近辺で一番キツイ坂もあるとのことだ。その角度、なんと16.5度。雪さえ降ればスキーでもできそうだ。

(参考) https://hamarepo.com/story.php?story_id=426



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上大岡の坂道。こんな道がいくつもあるから洒落にならない

 

そんな丘の麓、駅の周りに発達した街が、いわゆる副都心の部分。

京急百貨店、ヤマダ電機、映画館、複合商業施設、……普段の生活に必要十分なものは大方揃っている。

自分もその恩恵に預かった身だ。パソコン、スニーカー、人へのちょっとしたプレゼント……。確かに、便利な街だった。

だけど、便利なだけの街、でもあった。

 

良い点

(1)駅の近くで生活が全て完結できる

(2)京急と地下鉄の2路線が使え、どっちも全車停車駅

(3)少し行けば飲み屋や洒落た店もある

 

これだけ揃っていて何がご不満?と言いたくもなるだろう。

その証拠に、2018年の「関東住みたい街ランキング」では67位、あの大井町や代官山より上と来ている。

https://suumo.jp/edit/sumi_machi/2018/kanto/smp/

 


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駅の西側は飲み屋街。なぜかこの辺りは焼鳥屋が多い

 

正直に言おう。他の土地へのアクセス性だけは本当に素晴らしいと思っている。

つまり、上大岡という街そのものへの魅力が問題。住むうちに、次第に薄れてしまったのだ。

 

まず、無駄に人が多すぎて辟易する。

みんな素直に横浜に出ればいいのに、休日になると人がわんさか。特にファミリーが目立つのがこの街の特徴。飲食店がどこも混む。

商業施設「カミオ」にあるマクドナルドはいつも混んでいるから、一度も入ったことがない。その割に大通り沿いのロッテリアはいつも空いていて、変なの、と思っていた。まあエビバーガーファンの自分はホクホクだけれど。

また、駅周りしか発展していない、という歪さがそれを助長する。駅近にばかり人が密集し、分散されないのだ。戦後に発展させた街なのに、なんでこう半端に作ったのかな、と何度思ったことか。


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上大岡駅前はいつも多くの人が行き交う

 

次に、坂の存在。

暮らし始めた頃は、坂だろうが丘だろうがあちこち歩き倒していた。

何せ初めて来た街。そもそも街歩きが好き。それに仕事のまだ少ない新入社員だ。平日仕事上がりに坂道ランニング、なんてこともしていた。

だけど、そのうち仕事は残業だらけに。疲れ果てた週末、朝起きれば窓の外にそびえているゲレンデのような坂を見て、「ん〜いい天気だな〜今日も登るか〜!」となるだろうか。少なくとも自分はそういう人種では無かった。大人しく駅に足を向け、237円をPASMOで払い桜木町へ行こう。

 
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しばしばコラボをする京急。少し前にはここも「上ラオウ岡」になっていた

 

 

地味に痛いのが、こんなにアクセスが便利に見えてJRが遠い点。

横浜のJRと言えば、東海道線京浜東北線。どちらも主要な街やその近郊の多くを結んでいて、休日に使う頻度は高いけれど、結局横浜駅まで出ないと行けない。ゴミゴミしていてあの駅は好きではないので……。

近辺の似た条件の街に大船や戸塚があるけれど、東海道線があるのはやはりとんでもないメリットだと思う。東京23区へ楽々、鎌倉にも行きやすい。もし住むなら絶対そちらの方がいい。(ただし、車内混雑には目を背けながら。まあ京急上大岡も結局混むけれど)

 

 

ゴタゴタと並べてきたけれど、たぶん、自分が一番虚しかったのが、

こんなに大きい街なのに、ここには何も見るべき場所が無い、多少価値のある場所は行きづらい、という事実だ。

 

歴史的スポットは、「ペリーが来たときに人々が見物した丘」だけ。……なんじゃそりゃ。

眺めは確かに良いけれど、坂の上だし、お墓の前だし(写真自粛)、一度見れば「ふーん」で終わってしまう。

憩いの場所すら少ない。

あるにはある、久良岐公園や、戦没者記念堂の辺りなんかはとても雰囲気が良い。

どれも、見事に坂の上だ。

お隣の弘明寺駅みたいに歴史の深い名刹がある訳でもなく、大岡川の桜がきれいなのはもう少し下流……と、とことん微妙。

歴史の重みや名所も無く、坂に囲まれた街で暮らす休日。残業まみれの平日と合わせれば、「ただ、自分は街の便利さだけに生かされている無に近い存在」。

それを打ち消すために、電車で10分の関内や桜木町、逆方面に30分の逗子や鎌倉や江ノ島をしょっちゅう訪ねていた。名のある街へ、逃げていた。

何せ、アクセスは、良いのだ。


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神奈川県戦没者慰霊道。春は桜の名所。色々配慮して無宗教な作りとのこと

 

だけど、もしかしたら、と思うこともある。

あの街は、ファミリーになら良いのかもしれない。

街がコンパクト。本屋も服屋もなんでもある。映画館もあって、こっそり飲みたいお父さん向けの飲み屋までたくさん。頑張って坂を登れば大きい公園だ。

それに、ファミリーなら街の面白さなんて二の次だ。誰かと過ごす日常がそんなものを覆い隠していく。

結局、1人で長く住み続けるには向かない街だった、というだけなのかもしれない。

 
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この林の向こうが久良岐公園。野球場をはじめ広大な土地からなる。戦争末期か戦後かには人々が避難してきていたとか

 

 

ああ逗子へ引っ越したい、せめて金沢区、なんて思っていたけれど、色々あって、結局今は違う街で生活を始めている。

……どこにいるかは言わないよ。

だけど、暮らしてきた街というものを改めて振り返ると、どうしても愛憎ない混ぜにして見てしまうんだな、と気が付いた。

それは、大した仕事の実績もなく、独身として孤独な時間を一緒に過ごしていた、家族のような存在だからかもしれない。

 

色々文句は言ったけれど、いい記憶だってたくさんある。

入社1年目の春、駅の東側に見かけたきれいな桜に心躍らせたこと。

初めて坂を登りきった日、圧倒的な夜景に見惚れてしまったこと。

トンネルの中にくぐっていく京急を見下ろしながらランニングしたこと。

「赤い風船」で友人たちと夜中まで遊び倒したこと。

ある日の朝、ふと電車から富士山らしき影が見えたこと。

 

いつだって、あの街はそこにいた。

客観的に、冷静に見ることなんて、出来やしないのだ。


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上大岡の住宅街。奥に見えるのは、今思えばたぶん富士山

 
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赤い風船は複合遊戯施設。ゲーセンもパチンコもボーリングもある。バッティングセンターは安いけれど、マシンが古くて時々ビーンボールも投げてくるのはご愛嬌

 


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京急百貨店の屋上。景色はそこそこだけれど、広々として知る人ぞ知る憩いの場。楽器が練習できそうだと気付いたのは引っ越し当日だった

 

 

引っ越した今、もうあの街を訪れることはそうそう無いだろうな、と思う。

だって、何も無い街だ。

友人と会うのだって、横浜まで出た方が店の選択肢も増えて絶対に良い。

 

 

だけどもし、何かの機会に訪れることがあるとしたら。

そのときまでには、街に頼らなくてもいい自分になっていたい。

うだうだ言い訳をしないでいい、何者かとしての自分になって、堂々とあの街へ挨拶をしにいこうじゃないか。

  

 

だから、いつか来るその日まで。

さよなら、上大岡。


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本レビュー:「たのしい路線図」、楽しく愛でる

久々の更新です〜

この間記事が突然拾われたり色々ありましたが、やっぱり好きだと思ったものは残しておくべきだな〜となったことで再開します。

 

 

この前、酔っ払った勢いでつい買ってしまって(これだから酔っ払いは)とセルフツッコミした

「たのしい路線図」

http://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=37881

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いや、本当に凄かったあのときの勢い。全く知らない本だったのに、本屋で見かけた瞬間バッッ!って感じで手に取ってましたからね。バッッて。

 

自分は密かに路線図好き(詳しくはないですけど)なんですが、常に思われがちなのが「路線図好き=鉄道マニア」。

だけどそうじゃないんだよなあ、鉄道は「のぞみ、ひかり、こだまの速さ順を大学3年生くらいまで知らなかった」レベルなので(単なる無知)

と思っていたら、この本の序文にもまさにこういうことが。


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わかる〜〜

 

そうなんですよね、単にデザインを楽しんでいるという節がある。愛でるというのは言い得て妙。

ただ、自分はそこに加えて、「繋がっていく」という感覚がそもそも好きで、路線図好きにも結びついている気がします。

数式もコード進行も小説の人間関係も、自分が好きなのは「異なるものが有機的に繋がること」だから。

 

さて、本の中身。

期待通り?本当に日本全国津々浦々の路線図で溢れています。

さながら美術館の展覧会を訪れているような気分。


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こんな感じで。

育ってきた地域の路線図とか、何度も見てきた路線図でも、意外な発見があって面白い。JR西日本のアルファベットのラベリングとか気付いていなかった。

 

気に入った路線図をいくつか。


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横浜在住時からなんとなく好きだった相鉄。

スタイリッシュで良いですね〜

 


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JR東日本の新幹線路線図。

色合いが鮮やかで素敵〜。

 


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土佐くろしお鉄道(ごめん・なりはり線)

かっちょいい〜

 

 

……今回、何の解説もしてないですね。

でもいいんです、これ、愛でるための本なので。

 

他にもロンドンの路線図の歴史とか、大江戸線を丸く描いたきっかけとか、面白い情報が充実しています。

特にデザイン関連の方とか、眺めていたら何かピンと来るものがあるのでは??と思います。

 

最近はICカードの普及で切符を買うことも減りましたし、乗り換えもスマホを頼ることが増えていると思います。

でも、たまにはあちこちにある路線図を眺めてみるのも、いいかもしれませんね。通勤通学だって、少し楽しくなるかも。

祇園祭を語れない京都の大学生はモグリ

 なんて挑戦的なタイトルをつけましたが別に誰かにケンカを売るつもりは毛頭ありません。あんまり深く気に留めないでね☆

 

 今日、なんとなーく逗子(神奈川県)を散歩していました。

 この時期の逗子=逗子海岸で海水浴が定番ですが、泳ぐ気も体を焼く気も全くない自分は、誰もいない展望台に行って海と江ノ島を眺めていました()

 まあそれはどうでもいいとして。ちょうどその途中でローカルな感じのお祭りにかち合いまして、ふと気がついたんです。

 7/15。今日って、祇園祭宵山の日やん。

 

 

 祇園祭

 ご存知の通り、京都三大祭の1つです(他は葵祭時代祭)。

 実は7月いっぱいに渡って行事が行われているのですが、一番有名というか普段耳目に入るのは7/15の宵山とその前後。

 四条通の付近という京都の一等地全てを覆う、大々的なお祭りの日です。

 

 三大祭の他と異なるのは、やはりその「場所」でしょう。

 確かに葵祭時代祭も大々的なのですが、どちらも中心部からやや北寄りがメインです。

 あのビル街の中心を山鉾が進んだり、広い道路沿いに出店が並んでいたり、なんて状況はちょっと普段とのギャップが大きすぎるんですよね。

 

 一応自分も京都の大学に4年間在籍していたので、毎年参加していました。

 友達と行ったり、当時の恋人と行ったり、遊びに来た家族と行ったり。

 

 今、京都にいて祇園祭を(特に宵山前後を)知らない大学生には、悪いことを言わないからこれだけはぜひ行ってほしい。

 

 全部が違った思い出なんですよね。

 友達と行ったときは、ビールを飲み明かしながら、偶然出会った友人カップルを冷やかしたり。

 恋人と行ったときは、行列をかき分けながら山鉾を見ました。はぐれないように、付き合いたてだったから確か初めて、手を繋いだり(きゃー)。

 家族と行ったときは……あんまり言うこと無いな

 山鉾の引き回しは凄かったです(逃げた)

 

 

 だけど、一番の思い出は、大学生協で申し込んだアルバイト。

 

 そう、祭礼行列の一員として、ぐるぐる回るアレの役です。

 当時働く意欲というものが欠如しまくっていた模範的自堕落大学生な私が、京都に来たらやりたいと思っていた唯一のバイトでした。

 

 まだうら若き1回生の頃。今からなんと10年ほど前。

 だけど、鮮明に覚えています。

 

 現場につくと、まず食事が支給されたこと。あー支給って書いてたしな、と思ったらお赤飯を渡されてMatsuriを感じたこと。

 そのあとブルーシートの上で衣装に着替えたこと。白装束に烏帽子の自分を思わず自撮りしたこと。

 4人で担ぐ小さい神輿のようなものを担当したこと。1人で参加したから若干不安だったけれど、他の3人が凄くいい人で楽しかったこと。1年生の子はなんと同じ大学同じ学部。4年生で同じ大学の先輩は「最後の思い出にね」と言っていたこと。違う大学の2年生の人がいいキャラだけど若干気まずそうだったこと。

 

 そして、京都の街のど真ん中を、自分たちだけが闊歩していること。

 

 オフィスビルの間、何車線もある広い道の中央を、ゆっくりと歩いていく。

 沿道には多くの見物客。指をさしたり、写真を撮ったり、こちらが注目されている。

 空には夜が広がり、目の前には非日常の行列が続いている。

 

 ああ、この自由な気持ちを、一生忘れたくないな、と。

 あのときほど、清々しい快感を覚えたことは、一度もありません。

 

 

 たった数回しか祭りを経験していない、よそ者の自分。歴史的なことも、細かい行事のことも、正直ほとんど分かっていないと思います。

 それでも、まだまだ語れることはいっぱいあります。特に宵山――あのいつまでも、どこまでも続きそうな、幻のような夜を。

 作家の森見登美彦さんが「宵山万華鏡」という素晴らしい作品を書かれていますが、まさにあの本のように、祇園祭の時期の京都は万華鏡じみた幻影の世界となるのです。

 しかも、どの人の心にも残るように、オーダーメイドの鮮烈な絵柄を浮かべて。

 

 

 大学を出てからは、すっかり行く機会も無くなってしまいました。

 それでもなお、7月と祇園祭という存在が、切り離されずに自分の中にあり続ける。

 しかも時間が経つにつれて、なぜか一層記憶が浮かび上がってくる、不思議な祭。

 ……それは、元が霞がかった姿をしているからかな、と思ったり。

 

 じゃあ、宵山という自由な夜を、今の自分が体験したらどう記憶に残るのか?

 そんな興味が湧いてきたので、(今年は無理としても)また是非訪れたいものです。

 また、何か語れるような記憶を得られるなら、嬉しいことです。